《新型コロナ》営業継続か、休業か 経営者に迫る苦渋の決断

リフォーム産業新聞 1406号 (2020/04/27) 24面

「仕事は大事ですが、今、本音では人に接触したくないです」。リフォーム会社経営者のみなさん、従業員からこんな相談を受けたらどう答えますか。本紙でも報じているように、リフォーム会社の従業員にもコロナウイルスの感染が広がっている。そんな中、経営者はこのまま営業を続けるべきか、休業すべきなのか、苦渋の決断に迫られている。多くの企業では健康配慮に注意しつつ営業活動を行う会社も多いが中には、社員の健康配慮のために自宅待機を命じた企業もある。

OKUTAの社内

OKUTAの社内。約9割が自宅待機か在宅ワーク

OKUTA、社員の8割「自宅待機」

埼玉県を地盤とする大手リフォーム会社、OKUTA(さいたま市)は4月15日、291人の社員の内、約8割を自宅待機とした。残り1割が在宅勤務、もう1割が通常出社だ。自宅待機と、在宅勤務を合わせると約9割。国が推奨する「接触8割減」を大幅に上回る水準だ。これは緊急事態宣言の発令期間である4月8日から5月6日まで続く。

異例なのは8割を在宅勤務ではなく、自宅待機とした点だ。この中には営業、設計なども含まれるため、彼らが動かなければ売上減に直結する。実際、新規客への訪問はもちろん、来店も禁止し、オンラインや電話対応に限定。また、進行中の工事についても一時停止や工期の延長にした。未着工だった現場は延期。

ここまで自粛するケースは極めて珍しい。なぜこのような決断に至ったのか。

奥田勇会長はこう話す。「社員から『職務職責において、業務を遂行することは責任上仕方ないと思いますが、家族は反対しています』という声がありました。これは氷山の一角だと捉え、本当は今、誰とも接触をしたくないという社員が多くいるのだと。売上よりも、人命の方が尊いという判断で、この方針を貫くことにした」

ただ、自宅待機の場合、企業側は休業手当が必要になる。同社では自宅待機の社員の給与は固定給100%支給を上限に、下限は労働基準法26条に定める休業手当の基準である60%とした(行政の政策次第で変更あり)。雇用調整助成金を最大活用する考え。

この決断をするために幹部らと丸々2日間かけたミーティングを行ったと奥田会長。「結果として感染が広がってしまい、この努力が徒労に終わったとしても誇りを持てる決断だと、信じています」

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